GA4LP比較分析ツール - ヘルプ

目次

操作方法

基本的な使い方(ステップバイステップ)

1

BigQuery接続設定

Google Cloud PlatformのプロジェクトIDを確認し、GA4のデータが格納されているBigQueryデータセットを選択します。

  • プロジェクトID: 自動的に読み込まれます(環境変数で設定)
  • データセットID: 「データセット取得」ボタンをクリックして、利用可能なGA4データセットを取得します

GA4データセットは通常「analytics_XXXXXXXXX」の形式で表示されます。設定画面からプロパティ名を登録しておくと、分かりやすい名前で表示されます。

2

LP設定(旧LP(A)と新LP(B)のURL、期間設定)

比較したい2つのLPの情報を入力します。

A 旧LP(比較元)
  • - URL: 旧LPのURL(クエリパラメータは除外推奨)
  • - 開始日・終了日: 分析対象期間
B 新LP(比較先)
  • - URL: 新LPのURL(クエリパラメータは除外推奨)
  • - 開始日・終了日: 分析対象期間

URLの末尾の「/」の有無に注意してください。「https://example.com/lp」と「https://example.com/lp/」は別のURLとして扱われます。

3

イベント設定(CVイベント、CTAイベント)

分析に使用するイベントを選択します。データセット選択後、イベント一覧が自動で取得されます。

  • CVイベント(必須): コンバージョンとしてカウントするイベント(例: purchase, generate_lead, sign_up など)
  • CTAイベント(任意): CTAクリックとしてカウントするイベント(例: click, cta_click など)
4

URLフィルタ設定(UTMパラメータによる絞り込み)

特定の流入元からのセッションのみを分析対象にしたい場合に設定します。

  1. 「UTMパラメータ取得」ボタンをクリック
  2. 指定した期間・LPに存在するUTMパラメータの値が一覧表示されます
  3. 絞り込みたいパラメータを選択
utm_source

流入元(例: google, facebook)

utm_medium

流入媒体(例: cpc, email)

utm_campaign

キャンペーン名

5

分析実行

設定が完了したら「分析を実行」ボタンをクリックします。

  • BigQueryへクエリが送信され、結果が表示されます
  • 「ベイズ統計検証を有効化」にチェックを入れると、統計的な検証結果も表示されます
  • LPのサムネイル画像も自動で取得されます

各指標の説明

セッション数

対象LPへの訪問回数。同一ユーザーでも時間をおいて再訪問すれば複数カウントされます。

CVR(コンバージョン率)

セッション数に対するCV数の割合。「CV数 / セッション数 x 100」で算出されます。

直帰率

1ページのみ閲覧して離脱したセッションの割合。低いほど良い傾向です。

CTAクリック率

CTAイベントが発生したセッションの割合。CTAイベントを設定した場合のみ表示されます。

平均スクロール率

ページのどこまでスクロールされたかの平均値。カスタムスクロール計測を有効にした場合に表示されます。

90%到達率

ページの90%以上までスクロールしたセッションの割合。コンテンツがしっかり読まれているかの指標です。

ベイズ統計について

ベイズ統計とは(従来の統計手法との違い)

ベイズ統計は、観測データに基づいて「パラメータの確率分布」を推定する手法です。 従来の頻度主義的な統計検定(t検定、カイ二乗検定など)とは異なり、より直感的な解釈が可能です。

直感的な解釈が可能

「新LPが旧LPより優れている確率は95%」のように、 ビジネス上の意思決定に直結する形で結果を解釈できます。

逐次的な意思決定が可能

データが増えるたびに分析を更新できます。「十分なサンプルサイズ」を事前に決めなくても、 随時判断が可能です。

従来の統計検定との違い

従来の検定では「p値 < 0.05なら有意差あり」という二択的な判断でしたが、 ベイズ統計では「どのくらいの確率で差があるか」を連続的に示すことができます。

設定方法の手引

事前分布タイプの選び方

タイプ パラメータ 推奨シーン
無情報(デフォルト) Beta(1, 1) 過去データがない場合、公平に評価したい場合
弱情報 Beta(0.5, 0.5) 少ないサンプルでも極端な結果を避けたい場合
カスタム Beta(alpha, beta) 過去データに基づいた事前知識がある場合

各パラメータの意味と推奨値

MDE 最小検出効果

ビジネス上意味のある最小の差。これより小さい差は実用上無視します。

デフォルト: 0.5%(CVR差分)

CI 信用区間幅

HDI(最高密度区間)の算出に使用する確率幅です。

デフォルト: 95%

勝利判定 勝利判定閾値

「新LPが優れている」と判定するために必要な勝率の閾値です。

デフォルト: 95%

損失 許容期待損失

誤った選択をした場合に許容できる最大の期待損失です。

デフォルト: 0.1%(CVR低下)

結果の見方

勝率 (Probability to Beat)

新LP(B)が旧LP(A)を上回る確率です。

  • 95%以上: 新LPが有意に優勢
  • 90-95%: 新LPが優勢の傾向
  • 50-90%: 明確な差なし
  • 50%未満: 旧LPが優勢

期待改善率 (Expected Lift)

CVR差分(B - A)の期待値です。

正の値なら新LPの方がCVRが高いと推定されます。例えば「+0.5%」なら、新LPのCVRは旧LPより0.5ポイント高いと期待されます。

95% HDI(最高密度区間)

CVR差分が95%の確率でこの範囲内にあります。

例: 「[-0.2%, +1.2%]」なら、CVR差分は95%の確率でこの範囲内。範囲が0を含まなければ「実質的な差がある」と言えます。

期待損失 (Expected Loss)

誤った選択をした場合の想定損失(CVR低下幅)です。

新LPを採用して実際は旧LPの方が良かった場合、どの程度CVRが低下するかの期待値。許容期待損失以下なら採用しても損失は限定的です。

推奨アクション(4段階)

高確信度で採用推奨

勝率95%以上、期待損失が許容範囲内、HDIが0を含まない

優勢(様子見推奨)

勝率90%以上だが、高確信度の条件を満たさない

明確な差なし

勝率50-90%、どちらとも言えない状態

旧LPが優勢

勝率50%未満、新LPの採用は推奨されない

グラフの見方

事後分布グラフ

LP A
LP B

2つの曲線が重なるほど差が小さい

LP AとLP BそれぞれのCVRの確率分布を表示します。 曲線が離れているほど、2つのLPに差があることを示します。 曲線のピーク(最も高い点)がそれぞれのCVRの最も可能性が高い値です。

CVR差分分布グラフ

分布
95% HDI

縦線(0)より右側の面積 = 勝率

CVR差分(B - A)の分布を表示します。 緑色の範囲が95% HDI(信用区間)です。 分布が0(縦線)より右にあるほど新LPが優勢、左にあるほど旧LPが優勢です。

FV通過分析について

FV通過分析とは

FV(ファーストビュー)通過分析は、LPの「CVRが低い」という課題を、より具体的なアクションにつなげるための分析手法です。

FV(ファーストビュー)とは、ページにアクセスした際にスクロールせずに最初に表示される領域のことです。 FV通過とは、ユーザーがFVを超えてスクロールした(=ページの続きを読み進めた)ことを意味します。

従来の課題

「CVRが低い」だけでは、FVに問題があるのか、FV以降のコンテンツに問題があるのか判断できない

FV通過分析で解決

CVRを「FV通過率」と「FV通過後CVR」に分解し、改善すべきポイントを明確化

FV通過分析を行うには、GA4で scroll_below_the_fold イベントが計測されている必要があります。 未計測の場合は、GTMウィザードを使って簡単に設定できます。

2つの主要指標

FV通過率

FV通過率 = FV通過セッション数 / 全セッション数

FVを超えてスクロールしたセッションの割合です。この値が低い場合、FVの訴求力に課題がある可能性があります。 ユーザーがFVを見てページの続きを読む気にならなかったということです。

FV通過後CVR

FV通過後CVR = CV数 / FV通過セッション数

FVを通過したセッションのうち、CVに至った割合です。この値が低い場合、FV以降のコンテンツ(本文・CTA・フォーム等)に課題がある可能性があります。

CVRとの関係

全体のCVR = FV通過率 x FV通過後CVR です。 例えば、FV通過率が60%でFV通過後CVRが5%なら、全体のCVRは約3%となります。 どちらの指標に改善余地があるかを見極めることで、効率的なLP改善が可能になります。

4象限マトリクスの見方

FV通過率(横軸)とFV通過後CVR(縦軸)を2次元でプロットし、LPの状態を4つの象限に分類します。 閾値はLP A・Bの中央値を自動計算して設定されます。

A

理想状態

FV通過率: 高 / FV通過後CVR: 高

FVでしっかりユーザーを引き込み、その後のコンテンツでCVにつなげられている最良の状態です。

改善方針: 現状維持・他LPへの横展開

B

FVに課題あり

FV通過率: 低 / FV通過後CVR: 高

FVで離脱するユーザーが多いが、通過した人のCVRは高い。FV改善が最もインパクト大のパターンです。

改善方針: FVのキャッチコピー・ビジュアル・CTAの見直し

C

FV以降に課題あり

FV通過率: 高 / FV通過後CVR: 低

FVは突破できているが、その後のコンテンツでCVにつながっていない状態です。

改善方針: 本文コンテンツ・CTA配置・フォーム導線の見直し

D

全体的に課題あり

FV通過率: 低 / FV通過後CVR: 低

FVでもその後でもユーザーを引きつけられていない状態。ターゲティングや訴求軸の根本的な見直しが必要です。

改善方針: ターゲット・訴求軸・LP全体の再設計を検討

象限Bが最も改善インパクトが大きい

FV通過後のCVRが高いということは、LP本文の説得力はあるということです。 FVを改善してスクロールするユーザーを増やすだけで、CV数の大幅増加が期待できます。

改善の進め方

1

FV通過分析を有効化して分析実行

オプション設定で「FV通過分析を有効化」をONにし、LP AとLP Bを比較分析します。

2

4象限マトリクスで位置を確認

各LPがA〜Dのどの象限に位置するかを確認し、課題の所在を把握します。

3

デバイス別・流入元別に深掘り

デバイス(PC/モバイル/タブレット)や流入元(Google/SNS等)ごとに分解して、特定セグメントに課題がないか確認します。

4

改善提案に基づいてLP改修

分析結果に表示される改善提案を参考に、FVまたはFV以降のコンテンツを改修します。

5

改修後のLPを再分析して効果検証

改修したLPを新LP(B)として再度FV通過分析を行い、象限が改善されたか確認します。

GTM連携(FV計測の自動設定)

FV通過分析には scroll_below_the_fold イベントの計測が必要です。 GTMウィザードを使えば、Google Tag Manager経由でこのイベントの計測をワンクリックで設定できます。

GTMウィザードの使い方

1

認証: Googleアカウントでログインし、GTM APIへのアクセスを許可します。

2

コンテナ選択: 対象のGTMアカウント・コンテナを選択します。

3

オプション設定: FV判定のしきい値(デフォルト: 100px)とGA4測定IDを入力します。

4

確認・実行: 作成されるタグ・トリガーを確認し、GTMコンテナに自動設定します。

GTMウィザードで作成されるもの:

  • カスタムHTMLタグ: FV通過を検出するJavaScript
  • トリガー: scroll_below_the_fold イベント発火時
  • GA4イベントタグ: GA4にイベントを送信

GTMウィザードで設定を作成した後、GTMワークスペースから「公開」を行うと計測が開始されます。 イベントデータがBigQueryに蓄積されるまで1〜2日かかりますので、分析は計測開始後しばらくしてから行ってください。

よくある質問 (FAQ)

Q どのくらいのサンプルサイズが必要ですか?

A

ベイズ統計のメリットは、固定のサンプルサイズが必要ないことです。 データが増えるたびに結果が更新され、いつでも判断できます。

ただし、より信頼性の高い結果を得るためには、以下が目安となります:

  • 各LPで最低100セッション以上
  • 各LPで最低5CV以上
  • 95% HDIの幅が狭くなるまで(目安: 2%以内)

サンプルが少なくても勝率は計算されますが、HDIの幅が広くなり、確信度が低い結果となります。 十分なデータが集まるまで継続的に監視することをお勧めします。

Q 勝率が95%を超えたら採用して良いですか?

A

勝率95%以上は良い指標ですが、他の指標も確認することをお勧めします。 以下の条件を全て満たす場合、より確信を持って採用できます:

勝率

95%以上

95% HDI

0を含まない

期待損失

許容範囲内(デフォルト: 0.1%以下)

サンプルサイズ

十分なCV数がある

これらを全て満たす場合、「高確信度で採用推奨」と表示されます。 推奨アクションと根拠を参考に、最終判断を行ってください。

Q HDIが0を含む場合はどう解釈すべきですか?

A

95% HDIが0を含む場合、「実質的に差がない可能性がある」ことを意味します。

例: HDI = [-0.3%, +1.5%]

CVR差分は95%の確率で-0.3%から+1.5%の間にある。 差が0(変化なし)の可能性も含まれるため、「明確な差がある」とは言い切れません。

この状況での対応策:

  • データ収集を継続: サンプルが増えればHDIが狭くなり、判断しやすくなります
  • 期待改善率を確認: 正の値であれば新LPが優勢傾向
  • 勝率を確認: 90%以上なら新LP採用も検討可
  • ビジネス判断: リスク許容度に応じて判断

Q 事前分布はどれを選べばいいですか?

A

ほとんどの場合、「無情報(デフォルト)」で問題ありません

  • 無情報 Beta(1,1): 初めてのテスト、公平な評価をしたい場合。最も一般的な選択肢です。
  • 弱情報 Beta(0.5,0.5): 少ないサンプルでも安定した推定をしたい場合。極端な結果を避けます。
  • カスタム: 過去のテストデータがある場合。例えば、過去に同じLPでCVR 3%だったなら、Beta(3, 97)のように設定できます。

データが十分にある場合(各LP 1000セッション以上など)、事前分布の影響はほとんどなくなります。 迷ったらデフォルトの「無情報」を使用してください。

Q 期待損失とは何ですか?どう活用すればいいですか?

A

期待損失は、間違った選択をした場合に失うCVRの期待値です。

例: 期待損失 = 0.05%

新LPを採用して、仮に旧LPの方が良かったとしても、 CVRの低下は平均して0.05ポイント程度と見込まれます。

活用方法:

  • 期待損失が許容範囲(デフォルト: 0.1%)以下なら、リスクは限定的
  • 勝率が高くても期待損失が大きい場合は、もう少しデータを集める
  • 許容範囲は事業のリスク許容度に応じて調整可能
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